Swan(a)

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〜D-101a スワンa(長岡先生設計)〜
Original Design - Tetsuo Nagaoka





     スワンaに存在価値はあるのか 08/11/24



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 スワン→スワンa→スワンmkU→スーパースワンと進化した10cmフルレンジ用点音源バックロードエンクロージャなのだが、スーパースワンに隠れて他のモデルはなかなか日の目を見ないことが多い。スーパースワンは強力な限定ユニットFE108S(スーパー)のために設計されたものなのだが、FE108EΣでもまったく問題なく良く鳴る。スワンaとスーパースワンはどの程度違うのかを知るためにスワンaをモデリングして比較することにした。


▲スワンa


▲スワンaの内部


▲スーパースワン(左)とスワンa

 スーパースワンの方が少し大きいかな、という程度の差しかない。ルックスは前補強板があるスーパースワンの方がいい。


▲内部の比較(左がスーパースワン、右がスワンa)

 スーパースワンの方が少しずつ各音道が大きく設計されているが、それほど大きな違いはなさげである。


▲ヘッドの大きさの比較(左がスーパースワン、右がスワンa)

 少しばかりスーパースワンの方が大きいのだが、スーパースワンの方は補強材が入っているので実質の容積はあまり違わないだろう。数値的な比較データは以下のようになる。

スーパースワン スワンa
ヘッド容積 1.924 1.728
音道1 42 39
音道2 72 85.5
音道3 77 88
音道4 132 132
音道5 208 210
音道6 358.6 336

 ヘッドの容積はスーパースワンが1.9リットルに対してスワンaは1.7リットル。これは限定ユニットを念頭に設計されたスーパースワンが若干大きめになっているためである。スワンaの大きさはFE108EΣにとってはちょうどよいのではないだろうか。

音道断面積をグラフにすると、


▲音道断面積の比較

となって、第2、第3音道以外はほとんど差がないと言っていいだろう。スーパースワンの方がエクスポーネンシャルホーンに近くよりスムースな音道の広がりになってはいるが、スワンaが悪いというほどではなく甲乙つけがたいと言える。スーパースワンの方がかなり大きいと思っていたがこうして比較してみるとその差はヘッド容積のみであると結論付けていいだろう。


▲スワンaの板取図

 最も大きな違いはコストパフォーマンスである。スーパースワンが15mm厚サブロク合板が2.5枚必要なのに対してスワンaは上記のとおり2枚ですむ。しかも音道断面積がそれほど差がないことから、音質の差はそのコストほどではないのではないかと思われる。とかく「スーパー」という文字に惑わされがちだが、スーパースワンとスワンaの間にはそれほどの差はなく、FE108EΣ+スワンaが10cmユニットスワン系で最も良い選択肢なのではないだろうか。


スワンaを少しだけ改造してみる 08/11/24

 スワンaは、FE108EΣ用のスワンとしてぴったりなのだが、ルックスがイマイチなのだ。それは前面補強板がないためである。そこで、スワンaの板取を究極まで見直した結果、410mm×140mmの補強板が取れることが判明した。


▲スワンaの究極の板取

この結果スワンaは、


▲前面補強板を得たスワンa

 このようにスーパースワンと見まごうまでにルックスが向上した。ただし、23番板は2つに分割しているので組み立ての際には若干注意が必要だ。


▲分割した23番板の接着時に隙間ができないよう注意

 サブロク2枚でワンセット出来上がりコストパフォーマンス抜群で、しかもスーパースワン並みの点音源とダイナミックレンジが約束されるのである。


難点はカットなのだが 08/11/25

 板取が究極すぎて丸のこでのカットが非常に難しいのである。どうやればカットできるのかを考えてみた。その結果は以下のとおりである。


▲丸のこでのカットの順番

 このようにすれば切れる。問題はGで、26番板と28番板の値の合計値より若干余裕をもってカットしておかないと歯の厚みほど誤差が出る。それから23番板は8番板を生み出すためにしかたなく2分割したのだが、カットの際にのこの厚さ分だけどうしても誤差が出てしまう。したがって、なるべく手引きで誤差を最小にしたい。たぶんこれならできそうだ。


音道を調整してみる 08/11/26

 音道の断面積のグラフを見ると明らかに第2音道が大きすぎるのがわかる。



17番板を90mmから80mmに変更してみると、


▲17番板の寸法を90mmから80mmに変更

 このようになり、音道の断面積は以下のようになる。

スーパースワン スワンa
ヘッド容積 1.924 1.728
音道1 42 39
音道2 72 76
音道3 77 99
音道4 132 132
音道5 208 210
音道6 358.6 336

 これをグラフにすると、


▲変更後の音道断面積

 このように非常にスムースな広がりになるのである。したがって最終的な板取図は以下のようになる。


▲最終的な板取図


▲板番号


▲板番号







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参考:スワンaは↓の書籍に掲載されています。


長岡鉄男のオリジナルスピーカー設計術 図面集編 SpecialEdition 2


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