D-58ES改製作記−その1 08/05/17 さて、昨日板が届いたのでさっそく今日から製作に入った。ホームセンターの21mmサブロクシナ合板は7枚で48,860円である。私にとっては高い買い物だ。品質は例のごとくさほどよいものではないがローコストでいい音を聴くという私のポリシーではこれでよいのである。 ▲21mmシナ合板7枚 ▲最初のカット とても天気がよかったので外で作業したのだが、朝方は肌寒かったのに一気にヒートアップ。汗がダラダラ出た。そういえば昨年のモアの製作開始もちょうど今頃だったなー、と思い出した。 ▲今回のセフティポーイが大活躍 精度はプラスマイナス1mm程度である。すべりが悪いと思ったら取っ手のビスが緩んで板に当たっていたのであった。そのせいでずいぶん精度が狂ったパーツがあります・・・早く気付けばよかったorz。 ▲カット終了 朝9時半から初めて午後4時でカットが終わった。パーツの山が2個、つまり2台分である。結構パーツが多いな。 ▲かわいい木片たち 写真だときれいに見えますけど微妙に直線がゆがんでいる。それをビスでぎゅうぎゅう締め付けるもんだからかなり応力が蓄積されるので、エージングに半年以上もかかるのだと思うのである。 ▲キモになる補強材 キモのパーツなのに疲れていてかなりいいかげんな加工になってしまった。一番左の板の上下が逆なのはご愛嬌。 ▲おがくずの量がすごいことに 手引きだったらまだ半分も終わってないであろう。さて、次回から組み立てに入るのである。今回はモアが調子がいいのでそんなに急がない。じっくりとやることにする。 D-58ES改製作記−その2 2008/05/24 さて、製作2日目である。音道から。あれ?最初からセンター補強板の寸法誤り発見。接木をして修正。 ▲9番板と音道センター補強板の接着 ▲ネジ穴の加工 ネジの頭が後の接着などにじゃまにならないようザグリを入れておく。 ▲ネジとボンドで固定 ▲3番板と2番板の取り付け センター補強板の段をどうも他の板と同じと勘違いして21mmにしたみたい(15mmが正しい)。2番板が80mmではうまくいかないので6mmほど切断。あーぁ。しかも取り付け位置間違ってるし・・・。 ▲間違えた板を強制的にはがすとこんなことに・・・ ▲めくれた・・・orz しかもここ前から見える場所だし・・・orz。リカバリが大変だ。木口テープ貼るかな。 ▲バッフル補強板の接着 ▲7番と10番板の接着 ▲1番板の加工 バッフルの穴あけである。今回もジグソーでやる。 ▲慎重に切断 ▲まずまずのできばえ まぁ、すり鉢状になったし、多少のでこぼこは見えない部分だからおk。 ▲うぎゃー、やっちまった ここは見えるとこなのでネジ使っちゃダメでしょう。どうやってリカバリしようか・・・。ボンドが乾いてからネジを取ってパテで埋めるか・・・、木口テープで隠すか・・・、あーなんてこった。 ▲問題の部分 ▲水中ボンドがなかったのでパテを購入 水中ボンドでガチガチにしようと思ったのだが、ホームセンターには水中ボンドがなかった、というかあるのはあったのだが小さいチューブのものしかなかったのだ。でこの「ウッドシール」というパテ(?)系のモノを購入。 ▲ウッドシールを塗布したところ ▲コーナーと隙間をウッドシールで補修した ▲4番板の取り付け 今日はここまで。 D-58ES改製作記−その3 2008/05/25 さて続き・・・。 ▲音道の板にRをつけてみる ▲こんな感じ ▲空気室から音道への入り口もR処理 ここのR処理って聞いたことがないんですけど。なんらかの効果があるのか、良いのか悪いのかもよくわからないのだが一応やってみた。 ▲フロントバッフル(2枚目)と第1音道の接着 ▲フロントバッフルの加工 ▲第3音道と第4音道の板 ▲隙間が・・・ やはりカットの精度もだが、接着するときに使用するボンドなどによってどうしても数ミリ単位で誤差が出ますね。中央補強板の隙間なのでそのままでもいいのですが一応パテでふさぎました。 ▲音道が70%完成 ▲斜め後ろからのビュー ▲最終音道のパーツ ▲今日の成果 実は昨日第3音道の中央しきり板を15mmを21mmでカットしてしまった件は、私の板取図が間違っていたのでした。おかしいなー、板取図からモデリングしたときは気付かなかったのに・・・。で、問題はその差6mmが後々問題になることに気付いたのであります(←遅いよ^^;)。つまり第3音道の一段目が6mm狭くなります。これだけでもものすごくイヤな感じなんですが、さらにこれ以降のパーツがすべて6mmほど前に出ることになります。特に問題なのが18番板です。6mm寸法が足りず背面板と密着しないのであります。最大の危機がやってきたのであります。さて、どんな展開になるのか? D-58ES改製作記−その4 2008/05/31 さて続き。今日はバッフルの加工をするぞ。 ▲モアにつけているユニットを取り外してネジ穴をマーキング ▲8mmのドリルで穴をあける ▲ツメつきナットを打ち込む ▲ザグリ処理している ▲天板(2枚目)の接着 ▲ルータがないので彫刻刀でテーパー加工 ▲ヤスリ処理した後のようす 合板がやわらかいので簡単に加工できる。いつかはフィンランドバーチ材で作ってみたいものである。ただ、どうなんでしょうかね、補強のし過ぎも音を殺してしまうと言われています。カチカチの合板とこういう安物の合板で作った同一のスピーカでブラインドテストしたら、安物の合板の方がよかったという結果が出ないだろうか、と思うのであります。ブラインドテストというところがキモです。 ▲失敗した箇所のリカバリ ▲バッフルの接着 ▲飾り板の接着 今日は4時から仕事が入っていたのでここまで。 D-58ES改製作記−その5 2008/06/01 さて、続き。 ▲コーキング材でコーナーなR処理 直角のコーナーだと定在波の発生が気になるのでコーキング材でRを作ってみた。最初は三角材を作る予定だったが45度カットを失敗したので材料がなくなったのである。なぜ失敗したかって、丸のこを45度にセットしたのだが、しめつけがゆるくてどんどん45度からずれていたのに気付かずやっちゃったのである。つまり30度材ができちゃったわけである・゚・(ノД`)・゚・。 ▲塩ビパイプのRを利用 Rを出すのに塩ビパイプを利用してみた。イマイチ美しい仕上がりにはなりません。 ▲コーキング材 半分程度ずつ残っていたのを全部使用した。 ▲デッドスペースに吸音材を入れた ▲底板の製作 裏側からビスで固定している。 ▲木口テープを貼る ▲底板完成 ▲バッフルの上木口にテープを貼る ▲背面板の加工 ▲背面からビスで固定 補強材は3cm高のものを2本固定した。直線でないのをビスでぎゅうぎゅう締めるので応力蓄積しまくりだと思うのである。 ▲今日の成果 今日も午後から仕事だったのでここまで。 D-58ES改製作記−その6 2008/06/07 二日酔いだし、暑いし・・・。でも続き。 ▲背面板補強板に木口テープを貼る 見えるところだけ、40cmほど木口テープを貼った。 ▲背面板補強完了 ▲側板の接着 音道の配置の関係から狭い板が前の方がいいようだ。誤差が結構出ているため現物合わせである。 ▲ビス穴加工 ▲仮止めしたところ ▲問題の18番板 18番板が背面板から6mm離れてしまう問題はやはり現実となった(というか精度がよければ当然のことなのだが)。ここは音道のR処理も兼ねてコーキング材で塞いだ。 ▲コーキング材でR処理 このやり方イマイチだ。美しくない。三角材でやった方がきれいだ。18番板が背面板に届いていないことがどれだけ音に影響するのかわからないが、音漏れはこれでなくなったと思う。 ▲側板の接着 ▲少しの隙間はボンドで塞ごうと思って多めに盛る ▲ターミナルの位置はここ 側板を全部くっつけると配線ができないことに気付いたので急遽配線。気付いてよかった。今回もそこらへんにあった線(たぶん十数年前に買ったスピーカーケーブル)。スワンやモアのときは撚線にしたり涙ぐましいことをしていたのだが、今回はそのまま使用。 ▲配線のようす ▲配線のようす ▲一台目の側板取り付け完了 ▲ビスはこんな感じ ▲斜め前ビュー 重さはモアほどではないが重い。一人でやっと動かせるくらい。残りの側板を2枚くっつけたら動かない気がする。 ▲音道のようす 二台目の作業中。 ▲ビス止め中 ▲この誤差・・・orz なんだかすごく誤差が出てるんですけど・・・。背面と底板ですべての誤差を吸収してるんでこんなことになっています・゚・(ノД`)・゚・。これだけ大きな木工品を正確に組み上げるにはやっぱりホゾとかの技術が不可欠だと思う。先達たちはどうやって正確に組み上げているんだろう。私の場合は音道の中央に補強板を入れたのでそれが精度のキモである。つまり、補強板がいかに精度よくカットされているかで後の精度が決まるんだと考えられるのだが、初日のカットでこの補強材が一番最後だったので疲れていたせいもあっていいかげんにしてしまったのが敗因だと思う。まぁ、音質にはそれほど影響はないだろう。見た目も後ろだから関係ない。 ▲今日の成果 今日は梅雨独特の湿った暑さである。汗びっしょりになりながらの作業だった。スピーカ製作は重労働である。もうすぐ知命の身にはつらい。大物を作るなら20〜30代のうちだ。残すは外側の側板と下のハカマ板の接着のみ、その後塗装に入る。試聴は来週くらいか。 D-58ES改製作記−その7 2008/06/08 さて、続き。 ▲側板の2枚目にR処理 セフティポーイを45度カット用にしてカット。 ▲紙ヤスリ(60番)でRを出す 午前中は仕事が入っていたのでここまで。 ▲側板の接着 ビスが使えないので手持ちの工具でプレス圧着(泣)。 ▲底板(ハカマ)の取り付け ここはビスとボンドで接着 ▲1台目が形になりました 後は木口テープを貼るだけです。 ▲R処理部 ▲今日の成果 D-58ES改製作記−その8(2008/06/17) さて、続き。 ▲「ハカマ」のR処理 カッターで削っておいて紙やすり60番で丸くした。 ▲「ハカマ」に木口テープを貼る ▲側板に木口テープを貼っているところ ▲Rに貼る木口テープは30mm R部分の木口テープは湿らせてから貼るとうまくいきます。 ▲1台目完成 ▲記念撮影−バッフルまわり なんかRが妖艶であります。ええぢゃないか。 ▲ホーン開口部 木口テープの威力でまるで職人の仕上げのように見えます。 ▲2つ目完成 形的にはこれで完成です。あとは塗装のみ。 ▲ステインを塗ったところ 今回もダークオーク。濃い色の方がたくましくていい音が出そうな「気が」しますし、部屋になじみます。ステインは油性。本当は水性がいいんですけど近くのホームセンターに水性の「ダークオーク」がないんですよね。油性はくさいし事後処理(ハケやタオルを洗剤で洗ったりとか)が大変。油性を使うと部屋に運び込んで数ヶ月はニオイがすごいのでカミさんに叱られます。ただ、沁み込みは油性の方がいいみたい。仕上がりを言うなら油性の方がいいかもです。 フロントバッフルの3mmの隙間(私の場合はアバウトで5mm程度あります)はハケでは塗れません。接着前に塗っておいた方がいいのでしょう。でもめんどくさいですね。そんなに目立ちませんしよしとします。それとホーン内部も相当塗りにくいです。底板や背面板、側板の内側は事前に塗っておく方が断然やりやすいと思いました。実はそんなことは先達のみなさまのホームページを見てわかっていたことですがものぐさの私は「えいやっ」でまとめ塗りをしました。 ▲今日の成果 明日ニスを塗ったら完成である。 D-58ES改製作記−その9(2008/06/15) ついに完成です。 ▲ニス塗り1回目 ▲R部分がなかなかいい ▲底も一応ニスを塗った 底は1回塗りである。 ▲乾かしているところ やはりビス穴をパテで補修したところは目立ってしまう。 ▲3回塗ったところ ペーパーかけては塗り3回目の写真。テカテカしてきた。 ▲ニス塗り終了 まずまずの仕上がりになった。 ▲ターミナルの取り付け準備 ▲あらかじめハンダしておく ▲ハンダ完了 ▲取り付け完了 ▲部屋の中での移動を考えてこれを底に貼ることにした こんな重いものをスリスリして移動したら床に傷がついてしまうのは目に見えている。ということでこれを底に張ることにした。 ▲これを4枚底に貼る ▲こんな感じ キャビネットとしてはこれで完成だ! ▲部屋に運び入れたところ 今回はカミさんは仕事でいなかったので子どもに手伝ってもらった。こんなに重いとは・・・orz。一人では到底運べません。まぁ、モアの方が重いのですけどね。D-77なんてどのくらい重いんだろうと思ってしまいます。 ▲ユニットへの配線 ▲完成! ▲記念撮影 さて、試聴。wktkです。すげー音が出るかなー?アンプに火を入れます。今回もワルツ・フォー・デビー。ソースはOnkyo SE-200PCI+iTunes。いつもこの瞬間が最高なのであります。 んー。どうなんだろう。モアのときみたいにポコポコした低音ではない。一応出ている。まぁ、ユニット自体のエージングは終了しているから当然だろう。悪くはない、そんな感じ。「おー、すげーっ」という感じはない。モアよりもメリハリがある音である。期待していたほどの低音ではないなー。板の応力が抜けるまでかなりかかるだろうからもう少し箱自体のエージングを待って感想を書きます。 D-58ES改−その後 08/06/22 玉砂利を入れた。ホームセンターから15kgを2個買ってきた。 ▲玉砂利15kg ▲少ないかも 全部入れてもこのくらい。もう少し入りそうだ。玉砂利、洗ってから入れればよかった、すごくきたない・・・orz。D-58ES改の音だが、どんどん締まってくるのがわかる。あれから一週間、かなりよくなった。低音も出てるかも、といったレベルまでになっている。玉砂利を敷いての感想はまた。今聴くとプラシーボ補正回路のため絶対よく聞こえてしまうと思うのであります。 トップページへ ※skpファイルはGoogle SketchUpというソフトのデータファイルです。Google SketchUpは以下から無償でダウンロードできます。 http://sketchup.google.com/download.html 見るだけならビューアが便利です。ビューアのダウンロードはこちら。 http://www.sketchup.com/?sid=40 Google SketchUp 6.0.*** Viewerのバージョンのものをダウンロード・インストールしてください。 |
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参考:D-58ESは↓の書籍に掲載されています。 長岡鉄男のオリジナルスピーカー設計術 図面集編 SpecialEdition 2 |